ドル円は、週初は日銀の追加金融緩和に対する期待感から一時85.90円付近まで上昇したものの、日銀の決定が予想通りの新型オペ拡充にとどまったことから材料出尽くし感が広がり84円台へ反落。8月のシカゴ購買部協会景気指数が予想を下回り、雇用指数も悪化したことから、83.85円付近へ下落した。中国8月の製造業PMIや、豪第2四半期GDPが好調だったことから84.55円付近へ反発したが、米8月のチャレンジャー人員削減予定数とADP全国雇用者数が予想を下回ったことから、一時83.70円付近へ下落した。
日本のマイナス金利を考える
先週は「現在の円高デフレ不況を止めるために、日銀が政策金利をマイナス0.1%程度に設定してはどうか」という話をしました。このプランは銀行間金利(プロ同士の金利)をマイナスにすることにより、過剰な円買い投機を抑止するとともに、円調達によるキャリートレード意欲を刺激する(投機筋の円売りを促進する)ことに狙いがあります。一般の国民が利用する預金金利や住宅ローン金利がマイナスになることは考慮していません。
しかし世の中には、銀行預金や現金保有に課税することによる「実質マイナス金利」を広く導入することにより、消費や投資を刺激するという奇策もあるらしい。しかもそれは一部の過激な論者が唱えている理論ではなく、70年以上前にマクロ経済学の大家であるケインズが「一般理論」の中で唱えていたというから驚きです。
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具体的には、まず一定以上の預貯金がある資産家に対して、例えば2%の超過資産税(財産税)をかけます。資産家は銀行預金のままにしておくと税金をとられますから、現金を引き出してタンス預金にしようとするでしょうが、数千万円とか数億円という現金を自宅に保管しておくことはかなり危険です。また札束の山を眺めていれば、そのうちクルマを買い替えるかとか、家の改築をしようかとか、おカネを使うことを考えるでしょう。こうしてタンス預金の一部は高額商品の消費に向かい、一部は株式や土地に投資され、景気や資産市場を潤すことになるわけです。
またタンス預金を締め上げるために、新紙幣を導入し、一定期間後には旧紙幣は使えなくなるとアナウンスする。そして新紙幣との両替の際に、やはり財産税を徴収するようにすれば、資産家は逃げられなくなります。
日本の個人が保有する金融資産はざっと1500兆円、そのうち50-60%は現金預金ですので、700-800兆円が課税対象となる計算。もし課税を嫌ってその10%が消費や投資に向かってくれれば、70-80兆円という巨額の需要が発生することになりますし、2%の税率とすれば、うまく行けば10兆円単位の税収が国庫に転がり込んできます。どっちに転んでも経済・財政にとって美味しいわけです。
当然のことながら、資産家(多くは高齢者)はこのような計画に猛反対するでしょう。しかし現在のデフレ不況は、金融資産を持つ高齢者を一方的に利し(デフレでは現預金の資産価値が増加する)、持たざる者である若年世代との不公平感を強めることは紛れもない事実。筆者は個人的には(大して預貯金はありませんし)、デフレ対策と称して無駄な財政出動をするくらいなら、財産税課税による実質マイナス金利導入も一考の価値はあると考えます。
民主党や自民党など既存政党の既存政治家では到底無理な話でしょうが、若年世代に人気があるカリスマ的なリーダーが総理大臣になって(テレビドラマ「チェンジ」の木村拓哉さんのように)、世代間不公平の是正を強く訴えれば、ひょっとしたら実現できるかもしれません。
FXのスワップ金利で資産運用
FXは金利が高い外貨を買って、金利が低い国の通貨を売った場合、スワップ金利を払う必要があります。サブプライム問題が起こる前はキャリートレードをおこない、スワップ金利のみで非常に大きな金額の収益をあげることができましたが、現在の世界的な低金利でそれが難しくなっています。高い金利を得るにはよりデフォルトリスクの高い国の通貨を買う必要がでてきていますが、それだけ大きな資産を失うリスクもでてくるので十分気をつけてFXをしてください。
8月のISM製造業景況指数が予想を上回り、ダウが大幅に上昇したことから84.65円付近まで急反発したが、米国雇用統計を前に警戒感も強く、84.00円付近へ押し戻された。ユーロは、日銀の追加緩和措置に対する失望感から対円主導で下落し、一時1.2625付近、106.20円付近まで下落。しかしその後は豪州や米中の景気指標上振れを受けてリスク選好が回復し、1.2850付近、108.60円付近まで持ち直した。なおECBは予想通り政策金利を1.00%に据え置くことを決定し、トリシェ総裁も「現在の金利水準は適切」との評価を据え置いた。